2021年3月12日金曜日

3月12日㈮:第38回卒業証書授与式

 お陰様で、第38回卒業証書授与式が滞りなく無事終了しました。

 昨年度に引き続き、感染症対策として保護者の参列は2名まで、常時換気、手指消毒・マスク着用の徹底、参加者の記名など行い、次第も精選し短時間の内容としました。国歌は音源の清聴、校歌はピアノ伴奏を聴いてもらう形にしました。卒業証書授与も昨年度と同様に、クラスごとに全員の名前を読み上げ起立した状態で、クラス代表一人に渡す形としましたが、一人一人の「はい」という返事、立ち姿に、3年間を終えた思いや成長を感じました。
その後、校長式辞と、PTA会長からのお祝いの言葉のあと、卒業生を代表して那須さんより「卒業の言葉」をいただきました。3年間の思いがいっぱい詰まった言葉に胸が熱くなりました。本当に立派に成長されたと思います。短時間の卒業式でしたが、厳粛な中で感動的に終えることができました。
卒業生が退場した後は、学年主任が3年間の思いを涙ながらに保護者の皆さんにご挨拶させていただきましたが、保護者の皆様の温かいご理解と拍手に心から感謝しています。無事に今日の日を迎えることができ本当に良かったと思います。3年間、本当にありがとうございました。

以下は、本日お話させていただいた式辞です。卒業生の門出に、少しでも励みになれば幸いです。

「厳しい冬を乗り越え、校庭の木々にも新芽が姿を現し、春の息吹が感じられるこの良き日に、第三十八回卒業証書授与式を挙行できること、心よりお喜び申し上げます。

   卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。 本日ここに二百七十四名が中学校三か年の課程を修了し、卒業の日を迎えました。様々なことを乗り越え、最後まで全力で頑張り通した結果です。今日という日を迎えたことに全員が大いに胸を張って下さい。 

 特に皆さんは、三年生のスタート前から長期にわたる臨時休校、そして休校開けには時数回復のための七時間授業の実施、修学旅行等の行事も大幅に変更や中止になるなど、コロナ禍の大きな影響を受け、不安を抱えたり、悔しい思いをすることも多々あったと思います。 しかし、生徒会スローガンでも「ステップ アップ(Step up)今こそ一致団結!~エンジョイ(enjoy)七時間~」と掲げながら、朗らかに逞しく最後まで頑張り抜いた皆さんに、最大の敬意と称賛の意を表したいと思います。 

 新型コロナウイルスや台風・地震など、疫病・災害の発生、エーアイ(AI)の急速な進化など、社会の変化を予測しづらい現代は、変動性・不確実性・複雑性・曖昧性のそれぞれの英語の頭文字を取り、「VUCA(ブーカ)の時代」とも言われています。まさに現代は一年先の未来への見通しも立てることが困難な時代であり、社会全体が不安に襲われています。

  しかし、大事なことは、未来は予測が決めるわけではありません。皆さんの未来も、「今、どうするか」の先にあります。つまり、どんな状況にあれ、大いなる希望を抱き、前に進むことが大切だということです。その行動が、やがて未来を創造していくことになるからです。 

 一月に三年生全員を対象に一人ずつ面接練習をさせていただきましたが、「三年間で特に印象に残っている思い出は何ですか?」との質問に対し、こう答えてくれた人がいました。 「コロナの影響で長い休校もあり、行事ごとも無くなったりしましたが、その分、一つひとつの行事や取り組みに本気で取り組むことの大切さを学びました。みんなで本気になって一生懸命頑張ったことで、どれも心に残るいい思い出にすることが出来ました。三年間でも、三年生の時のことが一番思い出に残っています。」

  厳しい環境下にあっても、前向きに捉え頑張って来てくれたことに改めて感動するとともに、皆さんの気持ちを代弁しているように思いました。 このような体験が貴重な経験となり、生きる知恵となる「経験知」だと思います。予測が難しい時代だけに、これからも想定外のことが起きるかもしれませんが、あらゆる機会を「学びのチャンス」にしながら、逞しくチャレンジし、さらに生きる力を身に付けていって欲しいと思います。 

 失敗してもくよくよしない、思うようにいかなくてもへこたれない。逞しく、辛抱強く、努力し、工夫し、苦労しながらも挑戦を続けることです。そこに必ず、これまでにはなかった新しい価値を創造していくことが出来ると思います。

  いよいよ卒業ですが、本校の「自律」「努力」「創造」という優れた校訓を胸に、溌溂と頑張って来られた皆さんは、新しい進路においても、自ら考え行動し、たゆまぬ努力と創造で、輝かしい未来を切り拓いていかれることを信じてやみません。 

 最後になりましたが、卒業式は、皆さんの晴れの旅立ちを祝うとともに、ご家族への尽きせぬ感謝をささげる式典でもあると思います。そこで、提案ですが、後方に座っておられる保護者の皆さんに、心から感謝の気持ちを込め、盛大な拍手を贈りたいと思いますが、卒業生の皆さんいかがでしょうか。(拍手) 

  保護者の皆様、本日はご卒業おめでとうございます。 改めて心よりお祝い申し上げます。また、これまで本校教育活動に対し、様々にお力添えとご支援をいただき厚く御礼申し上げます。 卒業生が胸に付けているコサージュはシンビジュームという花を模したものですが、在校生が丹精込めて作ってくれたものです。この花には、「希望・門出」という花言葉もあるそうです。      

 卒業生の晴れの門出にあたり、前途が希望にあふれ、幸多いものとなることを祈念いたしまして、式辞とさせて頂きます。

 令和三年 三月十二日 和泉市立南池田中学校   

校長 廣田 敏宣」

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